皆さんは、
「海水には、50億トンもの金が溶けている」
という話を聞いたことはありますか?
あるいは、
「私たち人間の体を構成している元素組成は、海水に似ている」
という話はどうでしょうか。
そして、この二つの話に共通しているのが、
金属元素です。
人間の体には、鉄や亜鉛、マンガン、コバルト、
銅やニッケルなど、生命活動を維持するための金属系元素が、
12種類も含まれています。
このほかにも、金や銀、アルミニウム、ストロンチウム、
ルビジウムといった金属も含まれているそうです。
なお、これらが人体の中に占める割合は、
極微量であることがわかっています。
昨年1月、海洋研究開発機構と株式会社IHIの研究チームが、
温泉水から金を回収する方法を開発しました。
その方法とは、ラン藻を加工したシートを用いて
金を吸着させるというものです。
開発のきっかけは、数十年前に行われていた
ラン藻が金を吸着するという研究で、
以降は進展のないままだったようです。
実験の結果、最高で1トンあたり
30gの金の採取に成功したそうです。
2023年中に、伊豆諸島にある海底熱水鉱床に
シートの設置を行ったそうなので、
そろそろ成果報告を聞くことができるかもしれませんね。